香りブログ
「兎途」が生まれるまで
兎途はウトと読み、漢字は当て字、言うなれば予想で私がつけたものである。
鹿や猪、熊など野生動物が作る獣道。
それをハンターの間ではウトと呼ぶ。
私は香りの仕事をする傍ら、散弾銃を所持して山に狩猟に出るハンターでもある。
まだ4年目のひよっこではあるが冬の山に入り、獣たちの足跡を追い、戦略を練って獲物を追い込む時間は生命を強く感じる。
もともと山の中にいる時間が好きで、20代の頃は登山に傾倒していた。
その気持ちは今も変わらないが、いつからかせっかく山に入るのなら人の為になる事がいいなと思うようになった。
そんな時にたまたまハンターの方に出会い、話を聞いていく中で燃え上がる気持ちがあった。強く興味は示したがまだ二の足を踏んでいた。背中を押したのはその方からの「思ってるだけじゃダメだ。やらにゃダメだ。意味がない」という言葉。
それが何か心に火をつけて今に至る。
大物狩猟は基本的に待ちの猟である。
無線を聞きながら-9℃の谷で2時間待機する事もある。2時間待ってチャンスは一瞬。
待機の間というのはすごく立体的な事を考えていたりする。その時に生まれたのがこの香り、兎途である。
枯葉、雪、松、白い吐息、獣と対峙して震え上がる自分。そんなものを投影したいと思って待機中に原案を作った。
調香と狩猟が絡み合う日が来るなんて自分ですら驚いていて面白い。
処方もいくつかのギミックを持たせています。
ぜひ「兎途」をよろしくお願いします。
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